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Spyder X2 – “ローキー” & “ハイキー”のポートレート撮影のヒント
私たちは、適切にキャリブレーションされたモニターで作業することの重要性を、特にリアルタイムでテザー画像を閲覧・編集する際には軽視しがちです。クライアントがその場にいて、印刷プロセス中に、印刷物であれデジタル素材であれ、自分が見ていたものがきちんとクライアントに納品されなかった場合、大変なことになります。私自身もこのような経験をしたことがあります。
画像処理の基礎は、正確さ、一貫性、わかりやすさに大きく依存しています。そのため、私はスタジオでも現場でもディスプレイのキャリブレーションを行っています。また、Spyder X2 Ultra(スパイダーエックス2ウルトラ)のStudio Matchオプションを使えば、デスクトップとノートパソコンのディスプレイの明度と色温度の両方を、可能な限り視覚的に一致するように調整することができます。 一般的に信じられているのとは反対に、このプロセスは非常に自然で、決して押し付けがましい作業ではありません。補正や特殊効果のために照明にカラーフィルターを使用することが多い私にとって、このプロセスは非常に重要であり、適切にキャリブレーションされたディスプレイ上で計算された色調整を行うことで、後処理での作業が大幅に軽減されます。
(ローキー vs. ハイキー)
ローキースタイルのポートレートでは、顔が画像の中で最も明るく照らされた部分となり、ハイキーとは逆に、顔がポートレートの中で暗い値にあります。簡単に言えば、ローキーであろうとハイキーであろうと、照明のコントラストと値によって、顔は常にポートレートの中で際立つのです。このように、画像を後処理する際に黒と白のポイントを特定するには、正しくキャリブレーションされたモニターで常に行う必要があります。
実際にあった例をご紹介します。 最近、私は古いコンピューターの調整をし、広告の校正刷りをしていました。すると、画像は暗く、黒い部分に詳細が失われており、ファイルを確認した後、原因はキャリブレーションされていないモニターだということが判明しました。私のワークスペースは、自然光がたくさん入る出窓のそばにあり、モニターが自動ディスプレイ調整に設定されていることも相まって、災いのもとなりました。また、自動調整を必要以上に明るく設定していたため、画像の階調範囲を下げてしまい、その結果、黒のディテールが失われ、暗く濁った画像を再現してしまいました。これは、正確なローキー画像を再現しようとするカメラマンが犯しがちな間違いのひとつだと私は思います。 ハイキー画像を扱うときにも同じことが起こり、白がくすんで見えたり、反対にハイライトが切れて見えたりします。
ローキープロジェクト
最近、シンガーソングライターのタリア(Talia)の、音楽レーベルのイメージを制作しています。夜明けに撮影しなければならないダークで控えめなムードが必要なイメージもあれば、サンセットに映ったシルエットを撮影しなければならないイメージもあるため、撮影は数回に渡って行われました。どちらの撮影も、ライティングや技術的な面をリアルタイムで調整し、クリエイティブな選択をするため、テザー撮影を行いました。
最初の撮影はイースターの日曜日の夕焼け時に行われました。私はサンタモニカに住んでいて、カリフォルニアは常に晴れていますが、この日は珍しく大気の低気圧で濃い霧発生していました。とても不気味で非現実的な感じで、予定していた日光の明るいバックライトとは全く異なる状況でしたが、音楽のタイトルが「ムーン・キス」で、暗い照明条件はテーマに合っていたため気にせずに、この時間にローキーなイメージを撮影することにしました。目的は、タリアが月と踊っているかのようなダンスのシリーズを作成することで、ポージングに柔らかい動きを出すことでした。また、彼女の顔はグラマラスですが、深い思慮の表情を見せ、美しさ/グラマーを控えめに表現し、タイトで美しいショットも候補に入れました。パシフィックコーストハイウェイを走りながら、撮影に最適な場所を探し、砂と水の上に岩で高く形成された桟橋を見つけました。これは完璧でした。タリアは走路として桟橋を使うことができ、私もノートパソコンとカメラ機材を濡らすことなくセットアップできました。以下は撮影の詳細です:
照明と技術のノート
照明条件が悪く、アシスタントがいなかったため、機材を最小限に抑えたシンプルなセットアップを選ぶ必要がありました。太陽が競合要因ではなくなったので、Nissin compact flashes(ニッシンコンパクトフラッシュ)とRogue(ローグ)のカメラ補正器を持ち運ぶことにしました。一つ目目は160wsの相当出力がある、パワフルなMG10で、二つ目目はこの撮影に十分なパワーのあるコンパクトなMG80 Proでしたが、暗い照明条件を考慮し、パワー使用量は最小限に抑えました。ローキーなイメージを作成する際には、被写体に当たる光の量に特に注意を払う必要があります。光が十分にないと、平面的なポートレートになり、逆に光が過剰すぎると、カメラのフラッシュを使ったような不自然な見た目になる可能性があります。以下は撮影セッションの詳細です:
Nissin Compact 2(ニッシンコンパクト2)のライトセットアップとSpyder X2 Ultra
露出:1/750秒 @ F値8 ISO 100 焦点距離50mm
そこで、海の高台にある桟橋から最適な視点を確保することができました。可変ズームレンズを使用することで、私たちの視点から岸までの約30フィート(約9メートル)の距離を縮めることができました。これにより、タリアが海面から浮かび上がっているようなダンスの幻想が生まれました。最初に行ったのは、環境光の露出を決定することでした。ミックスライト(フラッシュと環境光)のポートレートを撮影する際は、環境光がキーライト源やフィルとしての役割を果たすかを判断し、シーン全体の雰囲気を把握するために露出の調節を行いました。よりシネマティックな雰囲気やムーディな感じを出すために、シャッタースピードを上げて背景を2段階アンダーエクスポーズしました。この最初のセットアップでは、シャッタースピードを1/750秒にすることで、暗くドラマティックなシーンが保たれ、ゆっくりしたダンスの動きを捉えながら、シャープな画像を撮影することができました。
次に、被写体に光を当てる段階に移りました。使用するカメラ補正器のタイプを慎重に選択することは非常に重要です。例えば、この場合、ビューティーディッシュを使うとシーン全体が照らされ、その結果、不自然な印象になってしまいます。そのため、私はNissin MG10にRogue Flash Diffuser Dome(ローグフラッシュディフューザードーム)を使用することにしました。派手な作業でも複雑な作業でもありませんが、非常に効果的です。この補正器の特性により、光はドーム内で包み込まれ、適切な出力、高さ、角度で配置することで、まるで月や太陽が空から覗いているようなかすかな上方向の光を再現することができました。
コンパクトなNissin Carbon Fiber Light Stand(ニッシンカーボンファイバーライトスタンド)と Ball Head(ボールヘッド)のスイベルを使用し、高さ約10フィート(約3メートル)に設置してカメラをタリアの後ろに配置しました。これにより、彼女の顔に向かって低い角度の指向性を精密に調整することができました。そして、ディスプレイを確認した後、いくつかの微調整を行いました。特に、Air 10リモートから直接キーライトの出力を調整し、環境光とフラッシュの間の自然なバランスを保ちました。また、Spyder Checkr(スパイダーチェッカー)でニュートラルなホワイトバランスを記録し、Lightroom®のアイドロッパーツールを使用してセッション全体で正確で一貫性のある肌のトーンを保ち、露出を変えながら、以下の露出を決定しました。
最終露光値:1/500秒、F値6.8
最終露光値:1/500秒、F値6.8
また、カメラの角度を少し低く変え、薄い灰色の空をより強調するために対比を追加しました。キーライトには、DomeからRogue Flash Bender 3XL(ローグフラッシュベンダー3XL)に変更し、ストリップグリッドを使用しました。この補正器は素晴らしい形状変更能力を持っているため、彼女の顔に当てる光量にだけ集中することができました。また、光の位置を彼女の上方に数フィート下げました。光が近くにあるにもかかわらず、拡散素材と追加のグリッドのおかげで、パワーの量は同じままでした。また、環境光の露出を1/500秒から1/1000秒に減らし、レンズの絞りをF値を6.8から4に開放し、彼女の顔によりフロントフィルをもたらしました。
注意:フラッシュと環境光を組み合わせる場合、実質的に二つの露光を重ね合わせています。一つはシャッタースピードで制御された環境光で、もう一つは絞りで制御されたフラッシュです。絞りは、フラッシュと環境光でセンサーに取り込まれる光の単位を調整します。このセットアップにバリエーションを加えるために、私はカメラの軸近くに白いサテンの傘を追加し、F値を4にし、弱いフィル光として設定しました。(下記参照)
最終露光値: 1/200秒、F値3.5、ISO 400
最終露光値: 1/250秒、F値4、ISO 400
最終露光値: 1/45秒、F値4.8、ISO 100
これらのセットアップのキーライトには、コンパクトなNissin MG80を使用し、パワーを1/2に設定しました。そして、高さ5フィート(約1.5メートル)にRogueのサテンの傘を設置し、彼女の顔に直接カメラを向けました。
現場で今回のセッションの撮影を全て確認した後、私たちは必要なショットを確実に撮影できたと確信していました。新しいSpyder X2 Ultraの先進的なテクノロジーを使い現場でキャリブレーションを行うことで、安心感を得ることができました。有名人との仕事は、エージェントやマネージャー、アートディレクターと一緒に仕事をする際に非常にストレスを感じることがありますが、X2 Ultraのキャリブレーションプロセスを行うことにより、正確で一貫性のある色をキャプチャから印刷の工程で得ることができます。新しい先進的なソフトウェアから得る追加の利点は、ノートパソコンを自分のスタジオのワークステーションに合わせることもできるということです。現場で撮影したものが、自分のスタジオで作業する際にも正確に再現されることが分かります。
始まりは霧深い、曇り空のイースターの日でしたが、最終的にはタリアの初の音楽リリースのローンチのための素晴らしいポートレートシリーズを撮影することができました。人々は「人生がレモンをくれたら、レモネードを作れ(人生に柿一つ)」と言いますが、人生がレモンをくれたら、そのレモンを楽しんでください!
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